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色 -colors -

色が感情を持っているわけではない。

人の持つ感覚が、色をそれに結びつける。

情熱の赤。

冷静の青。

喜びのピンク。

躍動の新緑。

安らぎの淡黄。

無垢な純心の白。

感情を表す色々は、まだまだある。

季節、気候も色を中心に語ることができる。

昨夜の氷雨と打って変わり、柔らかな陽光が降り注いでいる。

まだ新緑は見えないが、風にゆられて光を反射する葉のきらめきが、その芽吹きを予感させる。

四季のある日本に生まれ育ってよかった。

複雑で学習するには難しいが、色んな表現の出来る日本語が母国語で良かった。

常夏の島、青いコバルトブルーの海にホワイトサンドビーチを持つ南太平洋の島々。碧色に透き通ったエメラルドグリーンにピンクサンドビーチを持つカリブの島々。そこに咲き誇るハイビスカス。ファイアーツリー。珊瑚礁の海を優雅に泳ぐツバメ魚、蝶々魚、瑠璃スズメ。

乳白色の夜明けが、日が昇るにつれてビビッドな色彩を取り戻してゆく。海よりもすこし淡い青色に、真っ白で力強い入道雲が力瘤を盛り上がらせながら、それでも、まったく重さを感じさせず湧き上がっている。

そんな常夏の島で暮らしたいと願った頃もあった。

だけど、今は四季折々に情緒をかんじさせてくれる日本で暮らしてゆきたいと願う。その時、その季節に合った色々に囲まれながら。

降り積もる純白の雪。キンっと透き通った冷たい空気の中、吐く息は淡く白い色。その吐き出した白は瞬間、透明の空気の中へと消えていく。雪の中、真っ赤な花を咲かす寒椿も綺麗。

春先は梅の白、濃い桃色から始まる。それはやがて咲き誇る淡い桜色へと移りゆき。葉桜の緑は、黄緑の新緑となって野山を覆う。

汗ばむ夏。青い空と白い雲。さんさんと光り輝く太陽と、その光を浴びてまっすぐに育ち、鮮やかな黄色を弾いているヒマワリたち。麦藁帽をかぶった、白い半袖シャツの子供達が黄色い歓声をあげて昆虫採集、水遊びに興じている。茶色い土の畑の中に、緑色のあざやかなスイカがゴロゴロ。トマト、茄子、胡瓜などの夏野菜も、それぞれの朱色、紫、緑をたたえている。

時が過ぎ、緑から薄黄色へ街路樹の銀杏の葉が色を変える。緑からベージュへとススキが野原の容貌を変えてゆく。もみじ、楓たちは、緑から深紅へと山々に彩り添えて色づき、やがて皆、枯れ落ちていく。

そして灰色の空を、葉の抜けた細い枯れ枝が線を交差させるように寒風の中にゆれ動きながら、引っ掻き始める。

ほんの少し例をあげたたけでも、一年の中で、これだけの色の変化に出会える。

あなたは、どんな色がすきですか?

どんな色を纏っていますか?

かつて、無色透明な存在になりたい。存在感の無い、存在になりたい。。。

と無表情に話した女性がいた。

あれこれ質問したりしないが、何か辛いことがあったんだね。

俺は、さっきのような色の世界を語ってあげた。

これだけの色がある世界の中で、あなたは生きている。

しっかりと存在している。

無色透明はもったいないよね。

何でもいいから色を持とう。

気分を変える意味でも、色を纏おう。

もうちょっと時間がたって、好きな色ができたら連絡しておいで。

暫くして、

『灰色になりました』 と連絡。

無色透明よりマシになったね(笑)と返信。

もう少したち、『キャメル色のカシミヤマフラー買いました』と連絡。

黒や紺など濃色のコートでも、オフホワイト、カーキ色のバーバリーのコートに合わせても暖かそう。いい色を選んだね。灰色より少し気分が上がったんじゃない?

『淡いピンクが好きになりました』

返信する必要は無くなった(笑)。もう大丈夫。

彼女は、きっと元気に過ごしているはず。

走ったり、動いたりするだけじゃなく、時には足を止めて見回してみるといいでしょう。

自分が囲まれている色を感じてみると、心の色も変わるかもしれません。

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